PEERS振り返りミーティング
今回は、 PEERSで毎回のセッション後に行っている「振り返りミーティング」についてお話ししましょう。
PEERSは、セッション前にスタッフ全員による打ち合わせから始まり、それから90分間の“子どもセッション”と“保護者セッション”を並行して実施します。そして、セッションが終わると「振り返りミーティング」を行なうというのが一連の流れです。
この「振り返りミーティング」では、“子どもセッション”に参加したコーチから、そのセッションで気づいたこと、参加者の様子、または課題などが報告されます。コーチは、セッション中も近くで参加者を見守り、必要なときにはフォローに入りますので、あらゆる角度から様子を見ています。各コーチの報告を共有することで、各参加者の成長や課題がより明確になります。“保護者セッション”についても、リーダーがその日の宿題の振り返りや、保護者の様子について報告をします。ときに宿題の振り返りについては、“子どもセッション”で本人が語った内容と、“保護者セッション”で保護者が語った内容にずれがある場合があります。それは、子どもが宿題で行った内容について、詳細を保護者に伝えていなかったり、宿題ができているにもかかわらず本人が認識をせず報告していなかったりすることがあるからです。そのような場合は、振り返りで両セッションの報告を聞いて初めて、その全容がわかることになります。また、コーチからセッションの指導内容についての質問や疑問点などが出されることもあります。その内容は、行動リハーサルのときのアドバイスの仕方や、ステップやルールの解釈の仕方など、さまざまです。それらを全員で共有し論議することを通して、スタッフの各セッションのテーマや個々の参加者への理解が深まっています。
「振り返りミーティング」は、このように一人ひとりの参加者の課題を大事に育て、続くセッションをより良いものにしていくために、とても重要だと考えています。困り感を抱えた子どもや若者が、自信を持って社会生活を送ることができるようにという願いを込めてチームで取り組むことが、PEERSの効果を支えています。