思春期ASDの子どもたちのための、
ソーシャルスキルトレーニングプログラム
とは?
PEERS® (Program for Education and Enrichment of Relational Skills)とは、米国UCLAの研究者(Dr.Elizabeth Laugeson)によって思春期の自閉スペクトラム症(ASD)や社会性に課題のある子ども達に向けに作成されたプログラムです。認知行動療法理論と保護者のサポートを基本原理としており、グループで取り組みます。カリキュラムは、社会適応に重要な役割を果たす“友達作り”と、その良い関係を維持していくために必要なスキルに焦点を当てられています。このプログラムは北米を始めとして世界各国の研究で効果検証がされ、その効果が認められたエビデンスのあるソーシャルスキルトレーニング(SST)です。
UCLA PEERS® Clinic
の特徴
思春期対象のSSTへのニーズの高まり
ASDの子ども達には、社会的なコミュニケーションや人間関係に課題があるという特性があります。特に思春期に友達を作ったり、人との関係をうまく維持したりという社会適応に困難を抱えやすいのです。それをサポートするためのSSTへのニーズは高い一方で、幼少期を対象にしているものが多い現状があります。(Reicho et al. 2012)。そんな中でPEERS® は、数少ない思春期対象のプログラムです。
なぜ友達関係に焦点を当てるのか?
ソーシャルスキルの中でも、なぜ友達関係が重要なのでしょうか? 思春期は、友達に認められることがとても重要だと感じる発達段階です。その時期に友達関係がうまく築けず孤立してしまうと、本人の自尊感情に大きく影響を与えることになります。ある研究では、この時期の友達関係のあり方から、その後の人生における適応を予測できる、また1人か2人親しい友達がいることで、人生のストレスフルな出来事による影響を和らげることができると言われています(Harmelen et al. 2017)。
認知行動療法と保護者のサポートをベースに、グループで取り組むプログラム
PEERS® で取り上げられているスキルは、社会性に課題のある子ども達が抱えやすいテーマから選ばれています。その指導方法は、UCLAの長年の研究から思春期の子供達の環境や特性に合う、効果的な方法として認知行動療法をベースとして導き出されたものです。しかしながら、方法を学んだとしてもソーシャルスキルが適切に使えるようになるには、自己理解/他者理解の深まりと、練習を繰り返すことが必要です。そこを家庭で、またプログラム終了後もサポートできるのが保護者であるソーシャルコーチです(Young Adult Programでは、ソーシャルコーチは保護者だけでなく、本人をそばで支援できる大人となっています)。このソーシャルコーチを育てることが、プログラムの両輪となっています。また毎回のセッションをグループで行うことにも重要な意味があります。スキルの練習の機会となる“宿題”の振り返りや“行動リハーサル”、これらをグループで取り組むことで、他の人がどうしているのか、それを聞きながら自分のできたこと、できなかったことを振り返る時間となるのです。そして毎回の“アクティビティタイム”では、学んだスキルを使いながらメンバー同士で楽しく遊びます。その際コーチがさりげなくフィードバックします。グループだからこそできる実践力をつけるプログラムとなっています。
PEERS® で学べるスキル例
- 友達と楽しく会話をする方法
- 自分にあった友だちの見つけ方
- 電話・ネット・SNSの使い方
- 会話に入る/会話から抜ける方法
- ユーモアの適切な使い方
- 友達と楽しく遊ぶためのルール
- からかい/いじめへの対応方法
- 思いのすれ違いへの対応方法
修了時の保護者の感想から
- これまでなかなか友達の輪に入ることができなかったのですが、プログラムを受けてからはさっと入って会話できるようになったようです。「受け入れられないこともある」ということも含めて教えていただいたことで、積極的にコミュニケーションを取ろうという意識が生まれたのかもしれません。
- 会話のキャッチボールがうまく続くようになった気がします。
- 人に対して声かけや態度が変わりました。
- 自分と共通の興味を持つ人と活動する場を見つけることでき、一人で外出することもできるようになりました。
- 友達からの言葉に対して、自分を守る力、対応する力が少しずつついてきているように思います。
- 宿題は本当に大変でした。思うようにできない課題もあり残念なこともありましたが、電話をかける等、今までにない体験をすることができてよかったです。
- いじめの対応など、どう伝えたらいいのか親の私でもわかりにくいことも、はっきりと手順が示されていて、いいなと思いました。
- 何が良いのか(Good)、何が悪いのか(Bad)をロールプレイ等で見ることができ、わかりやすかったです。
- 友達との距離感がつかめるようになりました。少しずつクラスでの仲間もできて、3学期は過ごしやすかったようです。具体的な説明があることで、「やってみよう!」という気持ちになれたのだと思います。
指導者向け特別セミナー開催
参加者募集
日本でプログラムを実践してきた講師による、資格をとれるセミナーです。
PEERS®の実践方法を詳しく説明する、指導者向けの3日間特別セミナーです。このセミナーを修了された方はUCLAのPEERS® Certified Provider(認定講師)となることができます。本セミナーでは、日本文化の中で実施する際の工夫や配慮コツなどもお伝えします。
セミナーで学べること
- 全14回の子どもセッションと保護者セッションのレッスン概要
- 友達を作り、良い関係を築くための具体的なルールとステップ
- 仲間からの拒否や思いのすれ違いへの効果的な対応方法
- 新しく学んだスキルを練習するユニークで楽しいアクティビティについて
- それぞれのスキルを身につけ、般化していくための宿題について
- スキルと宿題について説明された保護者向け配布資料について
- 陥りがちなトラブルを乗り越えるための方法や対策に向けてセラピストがすべきこと
- このプログラムの有効性を示す先行研究の概要
大阪会場
- 日程:
- 2025年 3月20日(祝・木)、 22日(土)、23日(日)の 3日間 合計24時間
- 時間:
- 9時〜17時
- 定員:
- 40名
- 場所1:
- クリスタルタワー
大阪府大阪市中央区城見1-2-27 - 場所2:
- オンライン
- 講師:
- 山田智子
具体的なセミナーの内容・受講料・申込み方法等については、
こちらのPDFをご覧ください。
※ なお、お申し込みいただきましたら、参加資格等をお尋ねするメールを差し上げます。
参加可能かどうかにつきましては、UCLAの確認が必要となる場合もありますのでその旨ご了承ください。
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